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『密会』(みっかい)は、安部公房の書き下ろし長編小説。ある朝突然、救急車で連れ去られた妻を捜すために巨大病院に入り込んだ男の物語。巨大なシステムにより、盗聴器でその行動を全て監視されていた男の迷走する姿を通して、現代都市社会の「出口のない迷路」の構造を描いている〔安部公房「構造主義的な思考形式」(聞き手:渡辺広士)(週刊読書人 1978年1月16日号に掲載)〕〔安部公房「自作を語る――『密会』」(新潮社テレホン・サービス録音〈作家自作を語る〉、1977年12月5日 - 14日)〕〔『新潮日本文学アルバム51 安部公房』(新潮社、1994年)〕。 1977年(昭和52年)12月5日に新潮社より刊行された。文庫版は新潮文庫で刊行されている。翻訳版も1981年(昭和56年)のJuliet Winters Carpenter訳(英題:''Secret Rendezvous'')をはじめ、各国で行われている。 作者の随筆・掌編集『笑う月』にも同名の別作品が収録されている。本作品との関連は明記されていないが、一部類似した点が存在する。 == 作品成立・構成 == 安部公房は『密会』の執筆のきっかけとなったものは、中学校の教師が自分の教え子と関係も持ち、自殺したという新聞記事だとし、それを見た時に、その教師の内面に入ってみたらどうかという考えが浮かび、中学生の女の子が「中心のイメージ」となり、構想が徐々に出来ていったとしている〔。また救急車のサイレンの音も着想の一つとされる〔。 安部公房は『密会』の函文では以下のように付記している。 作品構成としては、盗聴器をしかけられ全て監視されていた主人公が、そのテープを聞きながら、自身の行動記録を三人称の「男」を用いて、ノートに記述していったものを軸にしたストーリー展開となり、最後の「付記」では、一人称に戻る。かねてより常に独自の表現を求める安部は、既成の比喩や言い回しを使うことなく、その情景が皮膚感覚として読者に伝わるような独特な表現の世界を描くことを目指しているが、『密会』における空間構造は、8年ぶりに自作を読み返した安部自身が、あまりの不気味さに書いた本人ですらたじろいでしまったという〔安部公房『死に急ぐ鯨たち』(新潮文庫、1991年) 205頁。ISBN 4-10-112123-0〕。 安部は作品の一つの骨格となっている「病人と医者」という「管理するものと管理されるもの」の関係性について以下のように語っている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「密会 (安部公房)」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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